あ! 女の透き通るような喉の奥から静かだが 確かな声が漏れた。
かがり火がパシッと燃えくずれ 動揺を隠した足元で 紬の八掛けがキュルと音をたてて乱れた。 手にした厄除けの破魔矢が かすかに震え 落としそうになる手を慌てて握りなおし 長い石段を見上げた。 確かに人ごみの中にその人を見た いや見たように思えた。 往路と復路をロープで分けた石段は押されるままに進む人人人の波 振り向きながらも どんどんと肩を押され下へ下へと流される。 こんなに大勢の人なのに 何故か凛とした静寂の中 女の鼓動だけが早鐘を打つがごとく響いた。 花びらのように ひらっと頬にとけた八角形の結晶が遥か昔を・・ ひと時も忘れたことのない奥深い心の秘をにじみ出した。 樹齢を重ねた古い木立が押し殺した心の奥で潤んで歪んだ。「もう会っちやいけない人なのに」・・・・・・・・・・・・ それでも 私の初恋が またわたしを呼んだら どうすればいい。 #
by muranakayoko
| 2007-01-01 22:03
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